2010年11月9日火曜日

第60回 全国小中学校作文コンクール 優秀賞作品


                     挨拶
                                            朴美栄

 世界では様々な言語が各地で使用されるため、挨拶の言葉も様々あります。
私が知っているだけでも「おはよう。」、「アンニョンハセヨ。」、「ハロー。」、「ボンジュール。」、「アロハカカヒアカ。」等あります。
一つの言語の挨拶にしても人と会ったときや別れるとき、感謝を伝えるときの挨拶があります。
私はなぜか各場面での挨拶を上手く出来ませんでした。
それは恥ずかしがりやという性格上、なかなか声に出せないのです。
近所に住む人から朝に会ったときに「おはよう。」と挨拶されても私は頭をペコリと下げるだけで、「おはようございます。」と言えなかったのです。
そんな私を何回も見た私のおばあちゃんはよく「しっかり挨拶しなきゃだめでしょ。」と叱ったりもしました。でも私の心の中はいつも(知らない人と話はできないよ。)でした。
そんなある日、私が買い物でスーパーに行き、レジの順番を待っているときでした。
私の次に並んでいるおばあちゃんがたくさんの物をとても重そうに持っていたのです。
それを見て(重そうだな・・・)と一瞬思いましたが、ただ見て見ぬふりだけしていました。
しかしやはりそのおばあちゃんが気になります。
(こんなに重たい荷物をおばあちゃんがいつまでも持てるわけがない。誰かが助けてあげなきゃ。)
私はついに決心しました。人見知りとか、恥ずかしいとかそんなの考えている暇もありませんでした。
私は勇気をふりしぼって、「持ちます。」とだけ伝えておばあちゃんのかごを持ってあげたのです。
すると、おばあちゃんは「ありがとう。」と言ってくれました。
私はその言葉を聞いてなぜだか今まで味わったことのない幸せな気持ちになりました。
人から言われる感謝の言葉がこんなにも嬉しいなんて初めて思い知りました。
そして私も自然と「どういたしまして。」という挨拶を伝えました。
自分も知らないうちに顔には満面の笑みが浮かんでいました。
その日はずっと幸せな気分で、にやけっぱなしでした。
この出来事を通して何かが私の中でパーンとはじけました。
その日から私は困っている人を助けるのはもちろん、誰に対しても挨拶をするようになりました。そしてその度に私は笑顔になっています。

相手も一緒になって笑ってくれます。
挨拶の力には驚かされるばかりです。
毎朝、道端で会う近所の人も笑って挨拶してくれ、学校で会う友達や先生も笑っています。
家族でさえ笑って「おはよう。」「おやすみ。」と挨拶します。
私は学校で朝鮮語、日本語、英語の三ヶ国語を習いますが、いくら言葉が違っても挨拶のときは笑顔です。
挨拶は万国共通で人を幸せにできるのだということを知りました。
挨拶は人を幸せにする手段です。しかもお金のかからないとても便利なものです。
私は挨拶を通して、全世界の人を幸せにしたいです。
ある日のことをきっかけにこんなにも幸せなことを見つけた自分、それを通して自分が明るく生まれ変わったような気がします。
これからは皆が幸福感を味わうように、幸せの挨拶を全世界に広めていきたいと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿