2010年11月9日火曜日

第60回全国小中学校作文コンクール 佳作作品


<子育て>
                                                                                             朴紗永

 私はここ最近、母と一緒に11歳離れた弟であるソンギの子育てをしています。
 3年半前のある日でした。我が家で初めてとなる男の子が生まれるという知らせを両親から聞いて私はすごく嬉しかったです。
 私には3歳離れた妹であるクィヨンと2人兄弟でしたが、兄弟が増えるのもどうですが何より弟が出来ることがすごく嬉しかったのです。
 弟が生まれたという一報を聞いた父と私たち姉妹は病院に急いで駆けつけ、初めての対面を迎えたのです。感激のあまり生まれたばかりの赤ちゃんを一心で抱きました。
 ソンギを抱いたとき、あまりにも体が小さくもし落としてしまうと、大変なことになってしまうという不安がよぎりました。
 しかしその顔はとても可愛らしかったのを今でも覚えています。
 間もなく母とソンギが退院し、新たに家族が1人増え、5人での新生活が始まりました。
 ソンギの子育てで初めて経験したのはミルク作りでした。
 哺乳瓶に粉と少し冷ましたお湯を入れて混ぜ、ソンギに飲ませてあげました。
 ミルクを飲ませた後は、げっぷが出るように背中を優しくさすってあげます。
 そうしてあげないと、赤ちゃんはのどをつまらせてしまうからです。
 おむつの交換は大変な子育ての一つでした。
 ソンギが泣き出すのは大体おむつを替えてほしいとき、おなかが空いているとき、眠いときのどれかです。
 ですから私はソンギが泣き出すと、まずおむつをチェックします。
 おむつを替えるとき、ソンギは足をバタバタ暴れるので、一人で替えるのはとても大変でした。暴れ方がひどいときには誰かに手伝ってもらわないと出来ないくらいです。
 夜になると、お風呂に入れてあげます。
 ソンギをお風呂に入れるときは、赤ちゃん専用の石けんを使い、ガーゼで優しく洗ってあげます。そうすると、ソンギは気持ちよさそうに笑顔になります。
 このように一通り洗い終わって、お風呂の外でバスタオルを用意して待っている母とバトンタッチです。
 当時、私は小学校6年生だったのでソンギを一人でお風呂に入れるのはとても大変でした。
 だから妹のクィヨンと2人でソンギの体を洗ってあげる日も少なくありません。
 このような経緯を経てついにソンギも1歳になりました。見知らぬうちにソンギはすくすくと成長しミルクから離乳食に変わり、言葉も少しずつ喋るようになりました。
 ソンギにひらがなや数字などを教えるのも姉である私の役目です。
 3歳になり保育園に通うようになってからは、母が迎えに行くとすぐに泣いて走ってきたのも、今ではすっかり保育園に慣れて友達もたくさんできたようです。
 時には私でも難しいと思う漢字を習ってきて、家で一緒に復習します。
 そして今では着替えやご飯を食べるといった基本的なことは自分で出来るようになりました。だからといって、手がかからないわけではありません。
 女の子の私が男の子の遊び相手をするのは正直とても疲れます。
 野球や仮面ライダーごっこ、そしてチャンバラ等私には難しい遊びです。
 時にはチャンバラで私が泣かされることもあります。
 しかしこのような子育ては本当に必要なんだということを実感しています。
 中学生である私が子育てを経験するようになって、たくさんの大切なことを学ぶことが出来たのでは、やはりソンギという可愛らしい弟が生まれたからです。
 子育てはとても大変なことです。たまに相手にしたくないときもあります。
 しかしソンギを立派に育てるためにはどんな大変なことでも自らすすんでしてあげなければ、ソンギは成長しません。
 そう考えると、自分はソンギのために自分を犠牲にすることができると思います。
 ソンギの子育ては私が手伝っているので母も助かっていると思います。
 ソンギを育てる過程で一つ確信したことがあります。
 それは私が生まれたときから今までの母の苦労です。
 今自分がソンギにしている子育てを母は一人でやっていたのです。
 また食事の準備、部屋のお掃除、洗濯等の家事も母はこなしてきました。
 私は改めて、母の偉大さを知りました。
 私がここまで成長できたのも両親の愛情あふれる子育てがあったからだと思います。
 私が受けた愛を今度は恩返しという形で両親に返して行きたいと思います。
 また母が私を育ててくれたみたいに、次は私がソンギを愛情持って育てていきます。
 私は将来どんな職業に就こうと、自分の母みたいなお母さんになりたいとい思います。

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